近年、宮崎県内でも歴史ある古民家を再生したおしゃれなカフェや居酒屋、一棟貸しの宿泊施設などが非常に増えています。柱や梁の風合いを活かした空間はとても魅力的ですよね。
しかし、古民家での出店やリノベーションを計画されているオーナー様、そして設計実務に携わる方に、プロパンガスと厨房機器を取り扱う専門家として、どうしても知っておいていただきたい「防火の盲点」があります。
今回は、厨房機器メーカー「タニコー株式会社」様の資料をもとに、古民家厨房における火災リスクとその対策について詳しく解説します。
1. なぜ古民家は「火災リスク」が高いのか?
築50年以上が経過した古民家は、伝統工法や在来工法によって建てられた貴重な木造建築です。 しかし長い年月を経て、柱や梁などの構造材(木材)はカラカラに乾燥しています。専門的な言葉で言うと「構造材の含水率(がんすいりつ)が極めて低い状態」です。
水分が抜けた木材は非常に燃えやすく、一度火がつくと延焼スピードが早く、消火が困難であるという特性を持っています。
2. 最大の盲点:法律(準耐火構造)を守っていても安心できない理由
よくある誤解として、「壁の表面に石膏ボードやケイ酸カルシウム板などの不燃材を貼っているから大丈夫」というものがあります。
建築基準法を満たした「準耐火構造」の壁であれば一見安全に思えますが、実はここに大きな落とし穴があります。
高火力のガスレンジやオーブンを壁の近くで使用し続けると、熱が表面の不燃材を突き抜けて、裏側にある木材(下地・木軸)の表面温度を100℃以上に上昇させてしまうことがあるのです。
キーポイントは「100℃」:恐怖の低温着火
木材の火災リスクは、温度によって以下のように変化します。
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常温〜100℃未満:安全な温度帯
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100℃〜260℃【危険温度】:木部がじわじわと乾燥し、茶黒く変色する「炭化(たんか)」が始まります。
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260℃以上:何らかのきっかけで引火する温度。
長期間、熱に晒されて「炭化」が進んだ木材は、本来の引火温度よりも遥かに低い温度で火がつく(低温着火)ようになります。つまり、「火が直接当たっていないのに、ある日突然、壁の内側から火の手が上がる」という恐ろしい事態を招くのです。
3. 火災から大切な建物を守る「3つの壁」
厨房設計において、このリスクを回避するためには以下の「3つの壁(課題)」をクリアしなければなりません。
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下地が木軸であるリスク:表面が不燃材でも、裏側の木材は100℃を超えてしまう。
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床の構造:床が準耐火構造であっても、機器の熱で構造材が100℃以上になる場合がある。
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離隔距離(りかくきょり)の確保:安全な温度(100℃未満)を保つために可燃物から機器を離そうとすると、想定以上のスペースが必要になり、計画していた調理動線や機器配置が成り立たなくなることがある。
※ガスレンジなどの周囲には、上方・側方・後方にそれぞれ500mm〜1000mm以上の安全な「離隔距離」をとることが法律や火災予防条例で定められています。
4. 重要なのは「設計の段階」から相談すること
古民家リノベーションにおいて、内装デザインや間取りがすべて決まった後に厨房機器を選ぼうとすると、「安全な距離がとれない」「出店許可が下りない」「追加の遮熱工事で莫大な費用がかかる」といったトラブルになりがちです。
重要なのは、物件を選び、設計をスタートする初期の段階から防火対策を意識することです。
壁の裏側を木下地ではなく軽天(LGS・鋼製下地)にする、あらかじめ十分な離隔距離を確保したレイアウトにする、適切なステンレス遮熱板を施工する、といった対策を最初から組み込んでおくことで、コストを抑えながら確実に安全な厨房を作ることができます。
厨房の安全対策は、宮崎プロパンにお任せください
宮崎プロパンでは、プロパンガスの供給だけでなく、地域の飲食店様が安心して長く商売を続けられるよう、ガス機器の選定から安全な厨房レイアウトのご提案までトータルでサポートしております。
「古民家でカフェを開きたいけれど、この物件で大丈夫かな?」
「今使っている厨房の壁が熱くなっていて心配…」
そんな疑問や不安がございましたら、設計段階でも、オープン後でも構いません。いつでもお気軽に宮崎プロパンへご相談ください。厨房機器メーカーのタニコー様とも連携し、大切な建物を火災から守る最適なプランをご提案いたします。
ご家族やお客様の笑顔、そして地域の歴史ある建物を守るため、安全な店づくりを一緒に進めていきましょう😊